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映画「コクリコ坂から」2011/08/13 20:40

ヒマ過ぎて仕方ない。映画を観にいく事にしました。


スタジオジブリの新作「コクリコ坂から 」。


監督は巨匠・宮崎駿 氏の息子の宮崎吾朗 監督。
前作「ゲド戦記 」以来5年ぶり(←もう5年か~、早いなぁ)の新作。


今回の話の舞台はオリンピックを間近に控えた1963年の横浜。
港が見えるコクリコ荘の切り盛りをしている
16歳の女の子の海(うみ)がこの映画の主人公。


毎朝、彼女はコクリコ荘の庭から信号旗をあげるのが日課。

タグボートで彼女があげる信号旗を見ながら通学している
17歳の新聞部の俊が彼女の運命の人。


話の冒頭、海と俊は面識がありません。
二人の唯一と言える接点は毎朝、海がコクリコ荘の庭から
港に向かってあげる信号旗だけ。


彼女が通う高校では老朽化が進む文化部の部室で
歴史ある建物でもある「カルチェラタン」の保存か
取り壊しかを巡り学内が2分される問題になっていました。


当初、面識の無かった二人は「カルチェラタン」の問題を
きっかけに出会うことになります。


ひょんな事から「カルチェラタンの保存」を主張する
新聞部の俊と学校新聞のガリ版作りを手伝うハメに
なったことから二人は徐々に惹かれあうようになりました。


そんな二人ですがコクリコ荘にあった一枚の写真を
俊が見てから二人の運命が大きく動いていくのですが・・・と言う話。




手嶌葵さよならの夏



映画を観ての感想ですが面白かったと思います。

海や俊は自らの出生についてお互いの関係について
悩むのですがポジティヴに前向きに生きていく様がいいですね~。
二人の周囲の人間がまた前向きで・・・。

特に「カルチェラタン」の大掃除のシーンはその象徴とも
言えるシーンで良かったですね。
・・・ジブリ映画らしいなとも思いました。


あとは映画の冒頭からちょっと謎が増えていくのですが
終盤に向かってテンポ良く積み重なった謎が少しずつ晴れていく
シナリオもよかったと思います。


エンディングのテーマ曲も秀逸。
最近の映画にしては珍しくエンドロールが終わるまで
一人もお客さんが帰らなかったのには驚きました。
この点からもこの映画の良さが伝わってくると思います。


ただこの映画にも問題点がいくつかあったので書いておきます。


1つ目は重要な場面で「溜め」が足りないと思いました。
映画全体のテンポを良くするためなのか分かりませんが溜めが
無いためにキャラクターに感情が入りきってない場面が数回
見受けられたのが痛いと思いました。

劇中で海と俊が互いに「想い」を伝える場面が数回あるのですが
その前に演出的に「間」や「溜め」が足りないために淡々と
なりすぎてしまってキャラクターの感情や想いがお客さんに
伝わりきれてないと思いました。


監督の前作であり初作品だった「ゲド戦記」でもそうでしたが
ややキャラクターが平べったい印象があったのは残念でした。
(↑ただ「ゲド・・・」に比べれば格段に良くなっているとは思いますが)


2つ目は声優さんの起用についてです。

今回は長澤まさみさんと岡田准一さんがメインの二人の声を
やっておりましたが二人のファンの皆さんには悪いのですが
台本棒読みで喋っている印象が・・・。(特に前半部分)

1つ目であげた演出面での不出来と相まって
「あと一歩秀作になりえない」イメージを持ってしまいました。
無理に俳優さんを使わんでも普通の声優さんでもいいと
思うのですが。



3つ目に音楽。
60年代を意識したのか坂本九さんの名曲を使っていましたが
無理に使わなくてもいいと思いました。
自分は40過ぎの世代ですがちょっと押し付けがましさを感じました。

もっとオリジナルの音楽でやっていってもいいのではと思います。



・・・とちょっとだけ小言を書いてしまいましたが
前作「ゲド戦記」に比べれば出来はかなりいいと思います。

恐らく吾朗監督は「ゲド・・・」の時は監督として何をやっていいやら
監督として自分としての方向感すら無くしていたのではないかと。
ボロボロな作品を観ても明らかです。
(↑あくまでも自分個人の印象・感想ですが)


それに比べれば5年と言う年月を経て多少は力をつけてきた
のかな・・・と言うより自分が何をすべきかまともに考えるように
なったと言うか「自覚」が芽生えてきたのかもしれません。


この映画を観る前にたまたまNHKでこの映画のメイキングっぽい
番組が放送されていたのを少しだけ見たのですが
相変わらず親父の駿氏や鈴木プロデューサーにあれこれ
突っ込まれる場面があったようで今回の作品にも
その影響が多少出ているような気がします。


5年前、オイラは第一作「ゲド戦記」を観終えた後に
「これで吾朗監督を評価するのは可哀想だ。
「次の作品」を見てから評価すべきだろう」と思っていました。


今回はれて5年ぶりに「次の作品」を観たのですが
「次の作品(3作品目)でいよいよひとり立ちか」と思いました。
偉大な父に近づくべく次はもっといい作品を作って欲しいと思います。


あくまでも個人的に思うのですが父の宮崎駿監督は興行的に
振るわなかった「カリオストロの城 」や「ナウシカ 」、「ラピュタ 」などの
初期の監督作品のほうが印象に残る映画が多かったように思います。


吾朗監督には偉大な父とは逆に後の作品になればなるほど
印象に残る映画を作っていると言われる監督になって欲しいと
この映画を観終えて思いました。






ピアノソロ やさしくひけるスタジオジブリ作品集「風の谷のナウシカ」~「コクリコ坂から」

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