女王戴冠とその後に思う事。 ― 2018/02/23 15:48

今日はたまたま取れた年休。
朝一で某ホームセンターまでお買いもの。
まだ雪が残ってますね~。
部屋に戻って平昌五輪フィギュアスケート女子シングルの
フリープログラムを見ました。
結果はこんな感じ。(上位6人のみ表示)
1位 アリーナ・ザギトワ 239.57
2位 エフゲーニャ・メドベデワ 238.26
3位 ケイトリン・オズモンド 231.02自己ベスト
4位 宮原知子 222.38自己ベスト
5位 カロリーナ・コストナー 212.44
6位 坂本花織 209.71
第1~第3グループまで気になった選手だけチェック。
第1グループで滑った韓国のキム・ハヌル。
初めて見ました。
前半のフリップからのコンビネーションでミスは
ありましたが全体的にソツの無い演技が印象的。
第3グループのマリア・ソツコワはフリーでは
しっかりとした演技でショートのリベンジは果たした感じ。
世界選手権に出てくるのかな~。
出てくるなら五輪のリベンジを!
同じく第3グループの長洲未来ですが
トリプルアクセルがシングルアクセルになっちゃいましたね。
本当に残念ですが世界選手権でリベンジしてほしいですね。
いよいよ運命の最終グループ。
一番手は日本の宮原知子。
ここ数年で一番完璧な演技だったんじゃないかな~って
くらい素晴らしい演技だったと思います。
一番心配していたのは後半の3回転サルコウでした。
四大陸選手権の時にサルコウ跳んだ時に
とんでもない軸のブレ方ををしていたので心配してましたが
終わってみれば何も心配のいらないいいジャンプでした。
演技を終えた瞬間の「どうだ!」と言わんばかりの
ガッツポーズが印象的でした。
スコアは自己ベストを更新する146.44!
トータルスコアも222.38!220超えしてきましたよ!!!
こりゃ、銅メダルの夢じゃないんじゃないの~♪って
この時は思っちゃいました。
続くイタリアのコストナー選手は前半のフリップのミスが
本当に痛かったですね。
あのフリップでコンビネーションに持っていけないと
さすがにこの史上最高レベルの闘いでは勝ちきれない・・・。
冒頭に久々に3回転ルッツを投入してきて
それがバッチリ決まっていただけにあのフリップは本当に残念。
日本の坂本花織は終盤のループのミスより
後半のルッツのエッヂエラーが痛いし気になった。
彼女はジュニアの頃からルッツジャンプの踏切りが
良く無くてエッヂエラーを良く取られていたけど(当時のブログ)
シニアになって踏切りのエッヂの矯正も
上手くいっているのかなーと思っていたのですが
このタイミングでエッヂエラーでちゃいましたね。
エッヂエラーは残念だったけど後半の3連続コンビネーションの
二つ目のトゥーループは高さもあっていいジャンプだった。
坂本選手自身も「私はジャンプしか取り柄が無い」と
言いきっていますがフリップにしても今回の二つ目のトゥーループに
しても坂本選手は高さのあるいいジャンプを持っているのはいい。
今回は残念だったけど課題もハッキリした出てきたし
オリンピックの舞台も経験できたし
今後がますます楽しみになってきましたね。
坂本選手の演技が終わった時点で
暫定首位は222.38の宮原選手。
残りは3人。
ロシアの女王二人とカナダのオズモンド選手。
事実上、宮原選手のメダルが獲れるかは
カナダのオズモンド選手の演技次第でしょう。
・・・と、その前にロシアのツートップの片方が出てきました。
ショートプログラム首位のアリーナ・ザギトワ選手です。
全てのジャンプを得点が1割増しの後半に跳ぶという
超ハイリスクな演技構成のフリープログラム。
一昨年の9月に初めて彼女の演技を見た時は衝撃でした。
(当時のブログ)
その極端すぎる演技構成も衝撃でしたが
サラリと高難度ジャンプをバシバシ決めていく
それも熱く・・・でなく淡々と跳んでいく姿が怖いくらいでした。
今日も彼女はその時と同じプログラム「ドンキホーテ」に挑みます。
ただ同じプログラムでの2年目ということもあって
色んな部分でブラッシュアップされてはいます。
参考の為に彼女の演技構成を書いておきます。
---前半---
①コレオシークエンス
②フライングキャメルスピン
③ステップシークエンス
---後半---
④3ルッツー3ループ→3ルッツの単。
⑤2アクセルー3トゥーループ
⑥3フリップー2トゥーループー2ループ
⑦レイバックスピン
⑧3ルッツ→3ルッツー3ループ。ナイスリカバリー♪
⑨3サルコウ
⑩3フリップ
⑪2アクセル
⑫足替えコンビネーションスピン
後半に全てのジャンプを投入するため前半はマッタリ進行です。
ただこのマッタリは後半の怒涛のジャンプ連打の前の静けさ。
そして後半に入って一発目は3回転ルッツからの
鬼コンビネーションの予定でしたがルッツで若干バランスを
崩した影響でルッツのソロになってしまいました。
彼女しては珍しいミスです。
ここで抜けたループをどこでリカバリーしてくるんだろう?
恐らくは終盤のルッツに付けてくるとは思うのだが・・・。
後半冒頭のコンビネーションでミスしたことで
ちょっと心配になりましたが続くコンビネーション2つを
いつも通り淡々と跳んでいったのでホッと一息。
レイバックスピンは綺麗。
レイバックからビールマンへの流れはいいし
ビールマンのポジションは綺麗。
レイバックスピンのあとは3回転ルッツだ。
大方の予想通り、ここでしっかり3回転ループを付けてきた。
それもセカンドジャンプのループはジャンプも高くて見事!
・・・さすがザギトワ。
その後、サルコウ、フリップの3回転は
何事も無かったかの様に軽々と跳んで見せた。
ラストジャンプはダブルアクセル。
最後のジャンプもしっかり跳んで銀メダル以上を確定させた。
スコアは156.65。ショートとのトータルスコアは239.57。
この時点で宮原選手は暫定2位。
残りの二人はカナダのオズモンドとロシアの女王・メドベデワ。
恐らくはメドベデワはザギトワと共に金メダル争いをする
スコアを出して来るのは必至なので宮原選手が表彰台に
乗れるか乗れないかはカナダのオズモンド選手のデキ次第になった。
オズモンド選手は前半のルッツジャンプでステップアウトしたのが
唯一と言っていいミスで他はノーミスでフィニッシュ。
スコアは何と!152.15点。
宮原選手の146.44を6点近く上回ってきた。
ルッツで減点食らっておいてノーミスの宮原を6点近く
上回って銅メダルを確定させた。
・・・何が宮原選手と違うんだろう。
確かにオズモンド選手のジャンプは着氷後の流れまで美しい。
宮原選手がオズモンド選手に劣っていると言えば
ジャンプだけだと思うんだけど、ここまで差が広がるのはビックリ。
宮原選手はスピンやステップは美しい。
左右対称のブレの無いスピンの美しさは世界屈指だし
ビールマンスピンの軸の美しさも素晴らしい。
そんな宮原選手を6点近く上回ってきたオズモンド選手、恐るべし。
最終滑走者はロシアのメドベデワ選手。
演技はノーミス。一番落ち着いて演技を見れた。
音楽と振り付けの親和性と言うかシンクロぶりは見事としか言えない。
演技後にコーチであるエテリ・トゥトベリーゼに駆け寄って
涙する映像はかなりグッと来てしまった。
メドベデワ選手は2015-16シーズンから
シニア入りしてからは数々の大会を勝ち続けた。
圧巻は2016-17シーズンで参加した全ての大会で優勝。
それもショート・フリーで全て1位と言う完全勝利だ。
多くのメディアが彼女は平昌五輪の金メダルを取るだろうと
予想したし多くのフィギュアスケートファンもそれを否定できるほどの
根拠を持ち得なかったしそう思っていたと思う。
ただ今シーズンのメドベデワ選手は右足の骨折で
シーズン中盤を棒に振ってしまった。
メドベデワ選手の不在の間にメジャー大会のタイトルを
総ナメしたのが今シーズンからシニアに昇格したザギトワ選手でした。
同じエテリコーチ門下の後輩でかつては自分のおさがりの
競技用衣装で演技していたザギトワ選手が自分に並んでメダル候補に
躍り出たことはメドベデワ選手にとってはプレッシャーだったはずだ。
更にメドベデワ選手に動揺を与えたのが
自国ロシアのドーピング問題で事態が悪化すればロシア選手が
五輪に行けない可能性まで浮上したのだ。
そんなロシアの窮地を救うべくIOC理事会で
ロシアのドーピング問題において全ての選手がドーピングを
している訳でないと潔白を晴らすために演説までしたのだ。
自身の骨折や同門の後輩の大ブレークなど
気が気でない状態で自国の五輪出場の危機に対して
IOC理事会で演説までやってのけたメドベデワ選手。
・・・この18歳の矜持と覚悟の気高さよ。
それはまさにメドベデワ選手が「女王」と呼ばれる所以ではなかろうか。
あのエテリ・トゥトベリーゼとの抱擁で人目も憚らず涙にくれる映像を
見てそれまでメドベデワ選手が胸に秘めていた様々な想いが
一気に出ちゃったのかなって・・・グッときたわ~。
フリーのスコアは何と156.65!!!
ザギトワ選手と同スコアだ。
残念ながらトータルではザギトワ選手には及ばず2位確定。
何と今年シニアデビューのアリーナ・ザギトワ選手が
オリンピックの金メダリストになってしまいました!
ザギトワ選手の金メダル獲得に異を唱えることは無いけど
何だか複雑な気持ちになったのも確かだ。
これで平昌五輪の女子シングルは終了。
事前の予想通りロシアの二人は強かったわ~。
今後もしばらくはロシア旋風が続きそうだ。
昨年に行われたジュニアのグランプリファイナルを見ていても
ファイナル出場の6人中5人がロシアだったことを思えば
しばらくはロシアの時代が続くのかなーって思ったりします。
その5人のジュニアのうち4人がエテリコーチの門下生。
メドベデワやザギトワのコーチであるエテリ・トゥトベリーゼの
門下生らしくてビックリです。
そういう意味では今回、平昌五輪の表彰台に乗った
ザギトワ、メドベデワの二人が4年後の北京に出場しているかは
分かりませんし、出ていない可能性も高いと思っています。
何故そんな事が言えるかと言えばソチ五輪から
今回の平昌五輪までの4年間の間のロシアの女子シングルの
選手の入れ替わりを見ていたら容易に想像できるからです。
ちょっとここ4年のロシア女子シングルを振り返ってみます。
まずは4年前(2013-14シーズン)の2014年のソチ五輪では
女子シングルでソトニコワが金メダル、リプニツカヤ選手が
団体で金メダルを獲得するなどの活躍を見せます。
その次のシーズン、つまり2014-15シーズンで
いきなり勢力図が変わって行きます。
ソチの金メダリスト二人が成績不振に陥る一方、
トゥクタミシュワ、ラジオノワ、ポゴリラヤらソチ五輪に
出場できなかった選手が大ブレーク。
特にトゥクタミシュワ選手は浅田真央選手に続く
トリプルアクセルを成功させるなど圧倒的な実力で
女子シングルのトップに昇りつめます。(当時のブログ)
しばらくはトゥクタミシュワ時代が来るかと思ったら
大間違いで翌シーズンにはまた勢力図が変わるのがロシア女子。
2015-16シーズンでロシア女子の頂点に立ったのが
このシーズンでシニアデビューしたエフゲーニャ・メドベデワでした。
ジュニアの頃(当時のブログ)から実力がある選手とは
思っていましたがルッツジャンプのエッヂの矯正など弱点を
克服した彼女にはジュニアもシニアも関係なかったようです。
グランプリシリーズのロシア大会でラジオノワ選手に
敗れた以外の全ての試合で全勝!
グランプリファイナル、欧州選手権、世界選手権の3冠を達成。
昨シーズン全盛を極めたトゥクタミシュワ選手は
極度の不振に陥ってなかなか勝てなくなってしまいました。
2016-17シーズンになると先ほども書きましたが
メドベデワの強さが際立ってきます。
シングルで参戦した試合はショート・フリー全て1位と言う完全勝利。
2年連続GPファイナル、欧州、世界選手権の3冠を達成。
その他の選手では2014-15シーズン以降、
ロシア女子の屋台骨を支えてきたラジオノワ選手の勢いに
陰りが見え始め、マリア・ソツコワが台頭を始めます。
そして今シーズン(2017-18)ですが
「メドベデワ1強」の状態に待ったをかけたのは自身のケガと
メドベデワと同じエテリ・トゥトベリーゼ門下のザギトワでした。
このシーズンになるとロシアの中心選手の一人だった
ポゴリラヤ選手が背中のケガで無念のリタイア。
五輪本番にはメドベデワ、ザギトワ、ソツコワの
ロシア史上最強の3人組が参戦して
ザギトワ1位、メドベデワ2位、ソツコワ8位と言う結果になった。
こんな感じでロシアの女子はたった4年の間に
かなり入れ替わった感があります。
この国の代表争いのハードルは今や世界一です。
今やロシアのジュニアでは4回転ジャンプを跳ぶ子も
登場していて来シーズン以降、シニアに昇格することがあれば
今回の平昌五輪で金・銀を獲得した二人でも未来は分らないのです。
こんなクレイジーなレベルのロシア女子と今後も日本女子は
闘っていかなくてはなりませんが日本にも紀平梨花や
(まだマイナーですが)竹内すいなどトリプルアクセルを跳ぶ
面白い子が出現し始めているので案外悪くはないと思います。
ただロシアの場合は国が全面的にフィギュアスケートを含めて
様々なスポーツに対して支援しているのに対して日本は
こういったフィギュアスケート選手に対してほとんど支援が無いのです。
フィギュアスケートは本当に色々お金のかかる競技らしく
詳細は省きますがトップ選手クラスになると年間数千万ほど。
日本の場合、スケート連盟などに強化指定を受けた選手などは
遠征費など一部費用をサポートする制度はありますが微々たるものです。
羽生選手やかつての浅田真央みたいに
スポンサーがつけばいいのですが、そうでない選手は
年間数千万円と言われる費用を何とかしないといけません。
賞金で稼げばいいじゃんという方もいらっしゃると
思いますが・・・
世界選手権優勝者45000ドル
四大陸選手権優勝者15000ドル
グランプリファイナル優勝25000ドル
グランプリシリーズ優勝18000ドル
ドルはUSドル換算です。
オリンピック、日本選手権 0円。
(↑日本選手権はエントリーに選手が15000円払ってるらしいっす(笑))
フィギュアスケートの大会の賞金も莫大な費用に
比べれば低いのが実態のようです。
かつて何処かのテレビ番組で宇野昌磨選手が
「あ、全然マイナスですよ」と言っていたの聞いた記憶があります。
ロシアほどのサポートをしろとはいいませんが
もっと日本もサポートしてもいいんじゃないかなって思ったりします。
圧倒的に個人頼みの日本のフィギュアスケート。
今は羽生選手や宇野選手がいるから
テレビ放送もされたりしますが羽生選手あたりが引退なんてしたら
事態は急激に悪化すると思います。
それを予感させたのが昨年の秋でした。
羽生選手がケガで戦線離脱した途端、
グランプリ(GP)シリーズの放送が
ゴールデンタイムから深夜帯に放送になったりしました。
挙句の果てにはGPシリーズ1戦から5戦まで
放送していたHAB(北陸朝日放送)が最終戦だけ放送を
中止すると言う事態にまで発展しました。(当時のブログ)
関東圏ではフツーに放送されたようですが
オイラが住む北陸ではフィギュアスケートの扱いはこんなもんです。
皮肉なことにこの地上波で放送されなかった
グランプリシリーズ最終戦で優勝した宮原知子と
2位の坂本花織が見事にGPファイナル行きを決め、
その後、平昌五輪にも出場することになりました。
バンクーバー五輪以降、浅田真央や羽生結弦など
レジェンド級のスーパースターの存在がフィギュアスケートの
テレビ放送を可能にしてくれていましたが
仮に羽生結弦あたりが引退となったら
フィギュアスケートのテレビ放送も無くなってしまうのかもしれません。
まだ宇野選手もいるしなんとかなるのかな・・・。
女子には宮原知子もいますが現状では圧倒的に実績不足で
彼女が浅田真央や羽生結弦の代わりになるはずもありません。
・・・となれば、紀平梨花か。うーーーむ。
ブッチギリで個人頼みの競技のフィギュアスケートですが
オリンピックで選手達が活躍すれば
「オールジャパンで勝ち取った」とか言うメディアのコメントが
やけに虚しく聞こえてくるフィギュアスケートファンは少なくないはず。
羽生結弦の歴史的な五輪連覇など
ど派手なニュースが多かった平昌五輪も終了しました。
日本のフィギュアスケートが
どうなっていくのか心配な部分もありますが
来シーズン以降も楽しんでいきたいと思います。

フィギュアスケートマガジン 2017-2018 オリンピック男子特集号[ピンナップ付き] (B.B.MOOK1405)
携帯の人たちはこちらからもどうぞ~。↓

朝一で某ホームセンターまでお買いもの。
まだ雪が残ってますね~。
部屋に戻って平昌五輪フィギュアスケート女子シングルの
フリープログラムを見ました。
結果はこんな感じ。(上位6人のみ表示)
1位 アリーナ・ザギトワ 239.57
2位 エフゲーニャ・メドベデワ 238.26
3位 ケイトリン・オズモンド 231.02自己ベスト
4位 宮原知子 222.38自己ベスト
5位 カロリーナ・コストナー 212.44
6位 坂本花織 209.71
第1~第3グループまで気になった選手だけチェック。
第1グループで滑った韓国のキム・ハヌル。
初めて見ました。
前半のフリップからのコンビネーションでミスは
ありましたが全体的にソツの無い演技が印象的。
第3グループのマリア・ソツコワはフリーでは
しっかりとした演技でショートのリベンジは果たした感じ。
世界選手権に出てくるのかな~。
出てくるなら五輪のリベンジを!
同じく第3グループの長洲未来ですが
トリプルアクセルがシングルアクセルになっちゃいましたね。
本当に残念ですが世界選手権でリベンジしてほしいですね。
いよいよ運命の最終グループ。
一番手は日本の宮原知子。
ここ数年で一番完璧な演技だったんじゃないかな~って
くらい素晴らしい演技だったと思います。
一番心配していたのは後半の3回転サルコウでした。
四大陸選手権の時にサルコウ跳んだ時に
とんでもない軸のブレ方ををしていたので心配してましたが
終わってみれば何も心配のいらないいいジャンプでした。
演技を終えた瞬間の「どうだ!」と言わんばかりの
ガッツポーズが印象的でした。
スコアは自己ベストを更新する146.44!
トータルスコアも222.38!220超えしてきましたよ!!!
こりゃ、銅メダルの夢じゃないんじゃないの~♪って
この時は思っちゃいました。
続くイタリアのコストナー選手は前半のフリップのミスが
本当に痛かったですね。
あのフリップでコンビネーションに持っていけないと
さすがにこの史上最高レベルの闘いでは勝ちきれない・・・。
冒頭に久々に3回転ルッツを投入してきて
それがバッチリ決まっていただけにあのフリップは本当に残念。
日本の坂本花織は終盤のループのミスより
後半のルッツのエッヂエラーが痛いし気になった。
彼女はジュニアの頃からルッツジャンプの踏切りが
良く無くてエッヂエラーを良く取られていたけど(当時のブログ)
シニアになって踏切りのエッヂの矯正も
上手くいっているのかなーと思っていたのですが
このタイミングでエッヂエラーでちゃいましたね。
エッヂエラーは残念だったけど後半の3連続コンビネーションの
二つ目のトゥーループは高さもあっていいジャンプだった。
坂本選手自身も「私はジャンプしか取り柄が無い」と
言いきっていますがフリップにしても今回の二つ目のトゥーループに
しても坂本選手は高さのあるいいジャンプを持っているのはいい。
今回は残念だったけど課題もハッキリした出てきたし
オリンピックの舞台も経験できたし
今後がますます楽しみになってきましたね。
坂本選手の演技が終わった時点で
暫定首位は222.38の宮原選手。
残りは3人。
ロシアの女王二人とカナダのオズモンド選手。
事実上、宮原選手のメダルが獲れるかは
カナダのオズモンド選手の演技次第でしょう。
・・・と、その前にロシアのツートップの片方が出てきました。
ショートプログラム首位のアリーナ・ザギトワ選手です。
全てのジャンプを得点が1割増しの後半に跳ぶという
超ハイリスクな演技構成のフリープログラム。
一昨年の9月に初めて彼女の演技を見た時は衝撃でした。
(当時のブログ)
その極端すぎる演技構成も衝撃でしたが
サラリと高難度ジャンプをバシバシ決めていく
それも熱く・・・でなく淡々と跳んでいく姿が怖いくらいでした。
今日も彼女はその時と同じプログラム「ドンキホーテ」に挑みます。
ただ同じプログラムでの2年目ということもあって
色んな部分でブラッシュアップされてはいます。
参考の為に彼女の演技構成を書いておきます。
---前半---
①コレオシークエンス
②フライングキャメルスピン
③ステップシークエンス
---後半---
④3ルッツー3ループ→3ルッツの単。
⑤2アクセルー3トゥーループ
⑥3フリップー2トゥーループー2ループ
⑦レイバックスピン
⑧3ルッツ→3ルッツー3ループ。ナイスリカバリー♪
⑨3サルコウ
⑩3フリップ
⑪2アクセル
⑫足替えコンビネーションスピン
後半に全てのジャンプを投入するため前半はマッタリ進行です。
ただこのマッタリは後半の怒涛のジャンプ連打の前の静けさ。
そして後半に入って一発目は3回転ルッツからの
鬼コンビネーションの予定でしたがルッツで若干バランスを
崩した影響でルッツのソロになってしまいました。
彼女しては珍しいミスです。
ここで抜けたループをどこでリカバリーしてくるんだろう?
恐らくは終盤のルッツに付けてくるとは思うのだが・・・。
後半冒頭のコンビネーションでミスしたことで
ちょっと心配になりましたが続くコンビネーション2つを
いつも通り淡々と跳んでいったのでホッと一息。
レイバックスピンは綺麗。
レイバックからビールマンへの流れはいいし
ビールマンのポジションは綺麗。
レイバックスピンのあとは3回転ルッツだ。
大方の予想通り、ここでしっかり3回転ループを付けてきた。
それもセカンドジャンプのループはジャンプも高くて見事!
・・・さすがザギトワ。
その後、サルコウ、フリップの3回転は
何事も無かったかの様に軽々と跳んで見せた。
ラストジャンプはダブルアクセル。
最後のジャンプもしっかり跳んで銀メダル以上を確定させた。
スコアは156.65。ショートとのトータルスコアは239.57。
この時点で宮原選手は暫定2位。
残りの二人はカナダのオズモンドとロシアの女王・メドベデワ。
恐らくはメドベデワはザギトワと共に金メダル争いをする
スコアを出して来るのは必至なので宮原選手が表彰台に
乗れるか乗れないかはカナダのオズモンド選手のデキ次第になった。
オズモンド選手は前半のルッツジャンプでステップアウトしたのが
唯一と言っていいミスで他はノーミスでフィニッシュ。
スコアは何と!152.15点。
宮原選手の146.44を6点近く上回ってきた。
ルッツで減点食らっておいてノーミスの宮原を6点近く
上回って銅メダルを確定させた。
・・・何が宮原選手と違うんだろう。
確かにオズモンド選手のジャンプは着氷後の流れまで美しい。
宮原選手がオズモンド選手に劣っていると言えば
ジャンプだけだと思うんだけど、ここまで差が広がるのはビックリ。
宮原選手はスピンやステップは美しい。
左右対称のブレの無いスピンの美しさは世界屈指だし
ビールマンスピンの軸の美しさも素晴らしい。
そんな宮原選手を6点近く上回ってきたオズモンド選手、恐るべし。
最終滑走者はロシアのメドベデワ選手。
演技はノーミス。一番落ち着いて演技を見れた。
音楽と振り付けの親和性と言うかシンクロぶりは見事としか言えない。
演技後にコーチであるエテリ・トゥトベリーゼに駆け寄って
涙する映像はかなりグッと来てしまった。
メドベデワ選手は2015-16シーズンから
シニア入りしてからは数々の大会を勝ち続けた。
圧巻は2016-17シーズンで参加した全ての大会で優勝。
それもショート・フリーで全て1位と言う完全勝利だ。
多くのメディアが彼女は平昌五輪の金メダルを取るだろうと
予想したし多くのフィギュアスケートファンもそれを否定できるほどの
根拠を持ち得なかったしそう思っていたと思う。
ただ今シーズンのメドベデワ選手は右足の骨折で
シーズン中盤を棒に振ってしまった。
メドベデワ選手の不在の間にメジャー大会のタイトルを
総ナメしたのが今シーズンからシニアに昇格したザギトワ選手でした。
同じエテリコーチ門下の後輩でかつては自分のおさがりの
競技用衣装で演技していたザギトワ選手が自分に並んでメダル候補に
躍り出たことはメドベデワ選手にとってはプレッシャーだったはずだ。
更にメドベデワ選手に動揺を与えたのが
自国ロシアのドーピング問題で事態が悪化すればロシア選手が
五輪に行けない可能性まで浮上したのだ。
そんなロシアの窮地を救うべくIOC理事会で
ロシアのドーピング問題において全ての選手がドーピングを
している訳でないと潔白を晴らすために演説までしたのだ。
自身の骨折や同門の後輩の大ブレークなど
気が気でない状態で自国の五輪出場の危機に対して
IOC理事会で演説までやってのけたメドベデワ選手。
・・・この18歳の矜持と覚悟の気高さよ。
それはまさにメドベデワ選手が「女王」と呼ばれる所以ではなかろうか。
あのエテリ・トゥトベリーゼとの抱擁で人目も憚らず涙にくれる映像を
見てそれまでメドベデワ選手が胸に秘めていた様々な想いが
一気に出ちゃったのかなって・・・グッときたわ~。
フリーのスコアは何と156.65!!!
ザギトワ選手と同スコアだ。
残念ながらトータルではザギトワ選手には及ばず2位確定。
何と今年シニアデビューのアリーナ・ザギトワ選手が
オリンピックの金メダリストになってしまいました!
ザギトワ選手の金メダル獲得に異を唱えることは無いけど
何だか複雑な気持ちになったのも確かだ。
これで平昌五輪の女子シングルは終了。
事前の予想通りロシアの二人は強かったわ~。
今後もしばらくはロシア旋風が続きそうだ。
昨年に行われたジュニアのグランプリファイナルを見ていても
ファイナル出場の6人中5人がロシアだったことを思えば
しばらくはロシアの時代が続くのかなーって思ったりします。
その5人のジュニアのうち4人がエテリコーチの門下生。
メドベデワやザギトワのコーチであるエテリ・トゥトベリーゼの
門下生らしくてビックリです。
そういう意味では今回、平昌五輪の表彰台に乗った
ザギトワ、メドベデワの二人が4年後の北京に出場しているかは
分かりませんし、出ていない可能性も高いと思っています。
何故そんな事が言えるかと言えばソチ五輪から
今回の平昌五輪までの4年間の間のロシアの女子シングルの
選手の入れ替わりを見ていたら容易に想像できるからです。
ちょっとここ4年のロシア女子シングルを振り返ってみます。
まずは4年前(2013-14シーズン)の2014年のソチ五輪では
女子シングルでソトニコワが金メダル、リプニツカヤ選手が
団体で金メダルを獲得するなどの活躍を見せます。
その次のシーズン、つまり2014-15シーズンで
いきなり勢力図が変わって行きます。
ソチの金メダリスト二人が成績不振に陥る一方、
トゥクタミシュワ、ラジオノワ、ポゴリラヤらソチ五輪に
出場できなかった選手が大ブレーク。
特にトゥクタミシュワ選手は浅田真央選手に続く
トリプルアクセルを成功させるなど圧倒的な実力で
女子シングルのトップに昇りつめます。(当時のブログ)
しばらくはトゥクタミシュワ時代が来るかと思ったら
大間違いで翌シーズンにはまた勢力図が変わるのがロシア女子。
2015-16シーズンでロシア女子の頂点に立ったのが
このシーズンでシニアデビューしたエフゲーニャ・メドベデワでした。
ジュニアの頃(当時のブログ)から実力がある選手とは
思っていましたがルッツジャンプのエッヂの矯正など弱点を
克服した彼女にはジュニアもシニアも関係なかったようです。
グランプリシリーズのロシア大会でラジオノワ選手に
敗れた以外の全ての試合で全勝!
グランプリファイナル、欧州選手権、世界選手権の3冠を達成。
昨シーズン全盛を極めたトゥクタミシュワ選手は
極度の不振に陥ってなかなか勝てなくなってしまいました。
2016-17シーズンになると先ほども書きましたが
メドベデワの強さが際立ってきます。
シングルで参戦した試合はショート・フリー全て1位と言う完全勝利。
2年連続GPファイナル、欧州、世界選手権の3冠を達成。
その他の選手では2014-15シーズン以降、
ロシア女子の屋台骨を支えてきたラジオノワ選手の勢いに
陰りが見え始め、マリア・ソツコワが台頭を始めます。
そして今シーズン(2017-18)ですが
「メドベデワ1強」の状態に待ったをかけたのは自身のケガと
メドベデワと同じエテリ・トゥトベリーゼ門下のザギトワでした。
このシーズンになるとロシアの中心選手の一人だった
ポゴリラヤ選手が背中のケガで無念のリタイア。
五輪本番にはメドベデワ、ザギトワ、ソツコワの
ロシア史上最強の3人組が参戦して
ザギトワ1位、メドベデワ2位、ソツコワ8位と言う結果になった。
こんな感じでロシアの女子はたった4年の間に
かなり入れ替わった感があります。
この国の代表争いのハードルは今や世界一です。
今やロシアのジュニアでは4回転ジャンプを跳ぶ子も
登場していて来シーズン以降、シニアに昇格することがあれば
今回の平昌五輪で金・銀を獲得した二人でも未来は分らないのです。
こんなクレイジーなレベルのロシア女子と今後も日本女子は
闘っていかなくてはなりませんが日本にも紀平梨花や
(まだマイナーですが)竹内すいなどトリプルアクセルを跳ぶ
面白い子が出現し始めているので案外悪くはないと思います。
ただロシアの場合は国が全面的にフィギュアスケートを含めて
様々なスポーツに対して支援しているのに対して日本は
こういったフィギュアスケート選手に対してほとんど支援が無いのです。
フィギュアスケートは本当に色々お金のかかる競技らしく
詳細は省きますがトップ選手クラスになると年間数千万ほど。
日本の場合、スケート連盟などに強化指定を受けた選手などは
遠征費など一部費用をサポートする制度はありますが微々たるものです。
羽生選手やかつての浅田真央みたいに
スポンサーがつけばいいのですが、そうでない選手は
年間数千万円と言われる費用を何とかしないといけません。
賞金で稼げばいいじゃんという方もいらっしゃると
思いますが・・・
世界選手権優勝者45000ドル
四大陸選手権優勝者15000ドル
グランプリファイナル優勝25000ドル
グランプリシリーズ優勝18000ドル
ドルはUSドル換算です。
オリンピック、日本選手権 0円。
(↑日本選手権はエントリーに選手が15000円払ってるらしいっす(笑))
フィギュアスケートの大会の賞金も莫大な費用に
比べれば低いのが実態のようです。
かつて何処かのテレビ番組で宇野昌磨選手が
「あ、全然マイナスですよ」と言っていたの聞いた記憶があります。
ロシアほどのサポートをしろとはいいませんが
もっと日本もサポートしてもいいんじゃないかなって思ったりします。
圧倒的に個人頼みの日本のフィギュアスケート。
今は羽生選手や宇野選手がいるから
テレビ放送もされたりしますが羽生選手あたりが引退なんてしたら
事態は急激に悪化すると思います。
それを予感させたのが昨年の秋でした。
羽生選手がケガで戦線離脱した途端、
グランプリ(GP)シリーズの放送が
ゴールデンタイムから深夜帯に放送になったりしました。
挙句の果てにはGPシリーズ1戦から5戦まで
放送していたHAB(北陸朝日放送)が最終戦だけ放送を
中止すると言う事態にまで発展しました。(当時のブログ)
関東圏ではフツーに放送されたようですが
オイラが住む北陸ではフィギュアスケートの扱いはこんなもんです。
皮肉なことにこの地上波で放送されなかった
グランプリシリーズ最終戦で優勝した宮原知子と
2位の坂本花織が見事にGPファイナル行きを決め、
その後、平昌五輪にも出場することになりました。
バンクーバー五輪以降、浅田真央や羽生結弦など
レジェンド級のスーパースターの存在がフィギュアスケートの
テレビ放送を可能にしてくれていましたが
仮に羽生結弦あたりが引退となったら
フィギュアスケートのテレビ放送も無くなってしまうのかもしれません。
まだ宇野選手もいるしなんとかなるのかな・・・。
女子には宮原知子もいますが現状では圧倒的に実績不足で
彼女が浅田真央や羽生結弦の代わりになるはずもありません。
・・・となれば、紀平梨花か。うーーーむ。
ブッチギリで個人頼みの競技のフィギュアスケートですが
オリンピックで選手達が活躍すれば
「オールジャパンで勝ち取った」とか言うメディアのコメントが
やけに虚しく聞こえてくるフィギュアスケートファンは少なくないはず。
羽生結弦の歴史的な五輪連覇など
ど派手なニュースが多かった平昌五輪も終了しました。
日本のフィギュアスケートが
どうなっていくのか心配な部分もありますが
来シーズン以降も楽しんでいきたいと思います。
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