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ダブル表彰台。2018/03/24 06:36

一眠りして気づいたら朝5時くらいだったと思う。

テレビをつけたらフィギュアスケートの世界選手権
女子フリープログラムが放送されてました。

録画予約はしていたのですがついつい見てしまいました。



結果はこんな感じ。(上位5人だけ表示してます。)


1位 ケイトリン・オズモンド   223.23(ショート4位↑)
2位 樋口新葉          210.90(ショート8位↑)
3位 宮原知子          210.08(ショート3位→)
4位 カロリーナ・コストナー  208・88(ショート1位↓)
5位 アリーナ・ザギトワ     207.72(ショート2位↓)


見始めたのが運命の最終グループの直前、
アメリカの長洲未来選手の演技を終えたところでした。

ちょうどこれから樋口新葉の演技ってタイミング。
このタイミングで起きれてよかったわ~。


樋口選手のフリープログラムは本当に素晴らしかった。

彼女の演技構成は以下の通り。

---前半---

①3回転サルコウ
②3回転ルッツ+3回転トゥーループ
③足替えコンビネーションスピン
④2回転アクセル

---後半---

⑤3回転ルッツ+3回転トゥーループ
⑥3回転ループ
⑦2回転アクセル+2回転トゥーループ+2回転ループ
⑧3回転フリップ
⑨フライングキャメルスピン
⑩ステップシークエンス
⑪コレオシークエンス
⑫レイバックスピン




樋口選手の冒頭のジャンプは3回転サルコウ。

・・・あれっ!?ジャンプ構成変えた?
今シーズンは冒頭に2回転アクセルでしたが
このタイミングで冒頭に3回転サルコウに変えたようです。


グランプリシリーズではこのサルコウが
2回転になってしまうミスもあったので冒頭に持ってきたのかな。
まぁ、それはともかく冒頭のサルコウはしっかり決めた!

その後、前半の得点源の3ルッツー3トゥーループもサラリと決めた。
スピンのあとのダブルアクセルは気持ちのいいデキ。


そして演技は後半へ。


後半冒頭の3ルッツー3トゥーループは
樋口選手にとって最大の鬼門。


後半に跳ぶこのコンビネーションで樋口選手は
幾度も悲運に見舞われてきた。(当時のブログ

回転不足やジャンプのすっぽ抜けなど
昨シーズンから嫌というほど味わってきた。


3ルッツ・・・3トゥーループっ!跳んだ!跳んだよ!!!

ところがこのコンビネーションジャンプに対して
審議のイエローランプが点灯。やべぇー。
2つ目のトゥーループで回転不足かなぁ~、すげー心配。


その後のループとダブルアクセルからの3連続もしっかり決めて
ラストジャンプは3回転フリップでした。

しっかり跳んだように見えましたが、
ここで更に審議ランプ点灯。
・・・マジかーーーっ、フリップも回転不足かな~。

仮にジャンプ二つで回転不足は痛い。
これでは140点越えも厳しいかも。

残りのスピン・ステップはバッチリ決めた。


ノーミスの演技を終えて「やったー!」と絶叫の後
樋口選手は人目も憚らず思いっきり泣いてました。

涙、涙、涙・・・。
ボロボロと涙を流す樋口選手。


昨シーズンから「ここぞっ!」という時に
残念過ぎる回転不足やジャンプのすっぽ抜けで
チャンスを逃し続けてきました。(当時のブログ


昨年の世界選手権ではミスが響いて
その結果、日本女子の出場枠を3から2に減らし、

昨年のグランプリファイナルでもミスを連発して
ブッチぎりで一人だけ蚊帳の外の最下位。

五輪選考を兼ねた昨年の全日本選手権では
ミスが響いて表彰台と五輪代表を逃し・・・。


全日本後に五輪代表落選が決まった直後の
樋口選手はツイッターで

「悔しい、もちろん悔しい、でも前を向くしかない。
後戻りもできなければ未来も見ることができない。
大きな夢ってこういうこと。何があるかわからない。

でも人生でこんな経験できるのって大切なこと。
ありがとう。まだこれで終わりじゃない。次があるんだ。
やってやろう。」


と捲土重来を期す強烈なメッセージを飛ばして
多くのファンに衝撃を与えました。


昨シーズンから地味に不振に陥って
悔し涙の樋口選手を見ることが多かったのですが
これまでの不振を吹き飛ばす好演技で笑顔じゃなくて涙、涙でした。

彼女が泣くときはミスした時が多いのですが
こういった喜びの涙を見るのは初めてかもしれない。

樋口選手がリンク上でうれし涙していたら、あら不思議!
2つの審議の黄色ランプが消えて緑ランプになっていきました。
・・・こりゃ、いいスコア出そうだよ♪


出た!ノーミスの彼女のスコアは145.01!!!
自己ベスト(145.30)には僅かに及ばなかったものの
十分にハイスコアです。(フリーでは全体2位のスコアでした)

この結果を見たキス&クライの樋口選手はまた涙。
人目も憚らず爆泣きです。これもまた彼女らしいところ。
何ともわかりやすい樋口選手なのです。



これで樋口選手はトータルスコアは210.90となって暫定1位!

最終グループの6人を残して暫定1位なので
ショート3位の宮原選手が自滅しなければ
日本女子の出場枠「3」はほぼ確実っぽいです。よっしゃ!




いよいよ運命の最終グループ6人の演技が始まります。



最終グループの1番手はショート4位
カナダのケイトリン・オズモンド選手です。


冒頭の3回転フリップからのコンビネーションは素晴らしいデキも
続くダブルアクセルからのコンビ―ネーションで着氷でミス、
更に3回転ルッツではエッヂが「ノットクリアー」判定。

前半でジャンプでケチが付きましたが後半はバッチリ!
ジャンプはノーミスだし終わってみれば
スピン・ステップは全てレベル4を獲得。

フリーのスコアは150点越え、トータル220点越えの
ハイスコアで堂々の暫定1位になりました。



さすがは最終グループ。
1番手のオズモンドから凄いスコア出してきたなぁ~。
ここで樋口選手は暫定2位に後退。


この時はオイラは樋口選手は最終Gの6人に抜かれても
7位フィニッシュだしそれほど悪くはなかろうと思っていました。


この後の上位選手に次々と起こる異変も
この時のオイラには想像も出来ませんでした。
平昌五輪にも現れなかった「魔物」が現れたようでした。


ショート5位のマリア・ソツコワ選手は
転倒1回、回転不足が3つ・・・ミス連発で総合8位に転落。


ショート6位のガブリエル・デールマンは
回転不足2つに踏み切りのエッヂで「ノットクリアー」が2回で
スコアを落として総合7位に転落。


あれれ・・・樋口選手、暫定2位のままですよ~。


残りは日本の宮原選手、ロシアのザギトワさんと
地元イタリアのコストナー様の3人。
物語は想定外のクライマックスへ・・・。





まずはショート3位の宮原知子。

目立ったミスといえば終盤のサルコウでの転倒。
四大陸選手権でも思ったのですが(当時のブログ
宮原選手はサルコウジャンプが苦手なのかな。

回った時にメチャメチャ体の軸がズレたりしてて・・・。
来シーズン以降の課題になりそうです。

更に3回転ルッツからのコンビネーションでの回転不足。
宮原選手の場合、ジャンプが小さくて分かりずらいのですが
よくよく見ると地味に回転不足してますね~。

フリーのスコアは伸び悩みました。

ショートとの合計スコアは210.08!
あれれ・・・樋口選手の暫定2位は変わらず。マジかー。
この時点で日本女子の来年の出場枠「3」が確定。


この時点での暫定順位は
1位オズモンド、2位樋口、3位宮原の順。



残りは平昌金のザギトワさんとレジェンドのコストナー様。



ここで平昌五輪金のアリーナ・ザギトワが登場。

ソツコワ、デールマン、宮原と3人連続で自滅パターンが
続きましたがようやくザギトワさんがこの嫌な「流れ」を
変えてくれると思っていましたし

ショート首位とのスコア差もほとんど無いし
多分彼女が世界選手権女王に一番近いと
この時のオイラは思っていました。

あぁ、樋口選手メダルまであと少しだったのに・・・とか
勝手に悲観的な感情になったりもしていました。


---後半---(予定構成→実際の構成)

①3回転ルッツ+3回転ループ
→3回転ルッツ(転倒)
②2回転アクセル+3回転トゥーループ
→2回転アクセル+3回転トゥーループ(転倒+ダウングレード)
③3回転フリップ+2回転トゥーループ+2回転ループ
→3回転フリップ+2回転トゥーループ+2回転ループ(出来栄え減点)
④3回転ルッツ
→3回転ルッツ+3回転ループ(転倒)
⑤3回転サルコウ
→3回転サルコウ(回転不足)
⑥3回転フリップ
→3回転フリップ成功
⑦2回転アクセル
→2回転アクセル成功

ところが五輪にも現れなかった「魔物」は
五輪の女王にも襲い掛かったようでした。

後半に全てのジャンプを投入している超リスクテイクな
ザギトワさんのフリープログラムですが
転倒3回、ダウングレード1つ、回転不足が2つ。

ジュニアだった昨シーズン以降、
こんなにミスしたザギトワ選手を初めてみました。

昨シーズンから今まで超難度のフリープログラムを
精密機械のように跳び続けたザギトワさんですが
今シーズン最終戦で「人間ザギトワ」を見てしまいました。

①の転倒だけでも十分衝撃でしたが
②も転倒したのをみて「これはヤバい」と思った方も
多かったのではないでしょうか。

①の失敗のリカバーにトライした④の転倒も
更に衝撃で鳥肌が立ってしまいました。

この結果、フツーに終わっていれば230点越えと
思われたスコアが・・・207.72点に終わってしまいました。
(最終順位は5位)


この結果、イタリアのコストナー様を残して
暫定で1位オズモンド、2位樋口、3位宮原・・・。

あれれ・・・樋口選手、メダル確定しちゃいましたよ~。





さぁ、最終滑走は地元イタリアのカロリーナ・コストナー様。

ザギトワさんの想定外の表彰台陥落で
31歳の大ベテラン・コストナー様の金メダルの大チャーーーンス!

まるで「モーゼの十戒」の海割れ(海開き?)のような
まさに「金メダルの道」が切り開かれたような
まさしくコストナー様にとっては大チャンス到来です!


しかしイタリア・ミラノの現れた「魔物」は
地元のレジェンドに対しても冷酷でした。

---前半---(予定の構成→実際の構成)

①3回転ルッツ
→2回転ルッツ(3回転跳べず)
②3回転フリップ
→3回転フリップ+2回転トゥーループ
③3回転ループ+2回転トゥーループ
→3回転フリップ
④3回転ループ
→3回転ループ成功

---後半---

⑤3回転トゥーループ
→3回転トゥーループ成功
⑥2回転アクセル+1回転ループ+3回転サルコウ
→1回転アクセル(3連コンボならず)
⑦3回転サルコウ+2回転トゥーループ
→3回転サルコウ(コンビネーションならず)


前半は冒頭の3回転ルッツが2回転に。
その他のジャンプは無事に飛び切り後半に向かいますが

後半冒頭の3回転トゥーループを成功させた後の
ダブルアクセルからの⑥はシングルアクセルの単発に、
更に3回転サルコウからのコンビネーション⑦は
転倒もあってコンビネーションにできず。

本来は3回まで跳べるコンビネーション(連続)ジャンプが
1回しか跳べなかったのは本当に痛い。

これではいくらコストナー選手でもスコアは出せません。
フリーのスコアは128.61に留まり総合で208.88。
コストナー選手は4位に後退、30代女子の表彰台ならず。




その結果・・・


樋口新葉選手が銀メダル。
宮原知子選手が銅メダル。




日本女子がダブル表彰台を決めちゃいました♪

これは本当に驚きました。


コストナー、ザギトワの両選手をはじめ
最終グループの選手のほとんどが総崩れになる
展開はまるで予想できませんでしたね~。

おまけに樋口選手、宮原選手が揃って
表彰台に立つとは思いもしませんでした。(驚き)
女子のW表彰台は2007年の安藤美姫、浅田真央以来。


樋口選手、ショート8位からの銀メダルは最高!
おめでとうございます!


つくづく勝負って最後まで分からないな~って思いました。






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