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新たなる潮流。2015/12/27 22:18

夕方からしっかり酒とツマミを準備して
フィギュアスケートの全日本選手権をチェック。


今日は運命の女子フリープログラム。
結果はこんな感じ。(カッコ内は昨年の順位)


1位 宮原知子    212.83(1位→)
2位 樋口新葉    195.35 (3位↑)
3位 浅田真央    193.75 (---)

4位 本郷理華   193.28 (2位↓)
5位 白岩優奈    186.33 (---)
6位 村上佳菜子 181.58 (5位↓)
7位 永井優香   178.86 (4位↓)
8位 新田谷凜    178.48 (13位↑)
9位 本田真凜    171.62 (---)
10位 木原万莉子   170.69 (8位↓)

11位 横井ゆは菜   169.40 (---)
12位 松田悠良    165.84 (15位↑)
13位 坂本花織    165.50 (6位↓)
14位 磯邉ひな乃   161.24 (25位↑)
15位 今井遥      161.23 (11位↓)
16位 青木祐奈 155.84 (---)



宮原選手が圧倒的な安定感!
ショートから更に差を広げてブッチ切りで全日本連覇!
彼女の急成長は今年一番のサプライズかもしれない。

いろいろ書きたいことはあるけど・・・後で。


7位の永井優香は冒頭のルッツが残念。
あとは後半の2アクセルからのコンビの2発目も残念。
ジャンプでミスはあったけど他は問題なし。

スケートは相変わらず滑らかだし
スパイラルの時の表情はグッドだし・・・。


ジュニア最終年の新田谷凜は8位。
2つ目の3フリップの転倒は痛い。
あれが無ければもう一つは順位上がっていたかもね。


9位の本田真凛は2つのジャンプで転倒。
冒頭のルッツ、終盤のフリップで転んじゃった。
得点の高いジャンプで2つミスすりゃー仕方ない。

中盤のステップシークエンスから
2アクセル、レイバックからのビールマンスピンは
流れが自然で綺麗だったなぁ。

後半のジャンプも3連ジャンプを含めて
いい感じだったけど終盤で疲れが出て
最後の3フリップの転倒は着氷後、身体を
支えきれないで倒れた印象。

30秒も演技時間が伸びるシニア仕様での
練習時間が足りなかったらしく、これが終盤での
スタミナ切れに繋がったのかも知れない。



16位に沈んだ青木祐奈はジャンプが不振。
冒頭の3ルッツー3ループは2つ目が2回転に。
続くコンビネーションで2つ目が回転不足。

更に後半の3ルッツが1ルッツ、
3ループの単発で転倒・・・。
チョイとスタミナが切れている印象。

特にショートプログラムを見ていて思ったのですが
まだまだ伸びしろのある子みたいなので今後も注目で。



横井ゆは菜や坂本花織らのジュニア勢も
演技を見たかったのですが放送されず。
やっぱりCS契約しなきゃダメかなー。



いよいよ女子も最終グループ。


一番手は女王・宮原知子。
冒頭の3ルッツからの3連ジャンプで
3発目のジャンプでダウングレード(*)を食らったみたい。

(*ダウングレード・・・規定のジャンプより回転数が
1/2回転以上足りない場合、この判定になる。
基礎点は1回転低いジャンプと同等になってしまう。)

ぶっちゃけ、宮原選手のジャンプって小っちゃいから
気付かなかったけど(笑)スロー再生してみると
確かにダウングレードっぽく見える。

せっかく冒頭から3連入れたのに・・・。
多分出来栄えを含めて3点近くは減点だ。


序盤で痛い減点はあったけどその後は順調そのもの。
中盤の3フリップ後の足替えコンビネーションスピンは綺麗。
正回転・逆回転をサラリとこなすあたりは流石。

ジャンプはミスしないしスピンやステップも崩れない。
叩き出したフリーのスコアは139.59。
トータルで212.83点!!!

昨年のスコア(195.60)から17点以上の
大幅上乗せを果たしてブッチ切りの首位。


残り5人の選手に大きなプレッシャーを
掛けたかに見えたけどジュニアの二人、
樋口新葉と白岩優奈の二人には関係無かった。


樋口選手はケガの影響で今シーズンは
納得いく演技が出来ずにいたらしい。

先日の全日本ジュニアを連覇して
ようやく自分らしさを取り戻したみたいだけど
それでもまだ「不完全燃焼」感マンマン。


一方、白岩選手もジュニアGPシリーズを
連勝していながらジュニアのGPファイナルでは
思うようなスコアを出せず6人中5位に終わった。

同い年の本田真凛に表彰台に立たれてしまいました。
全日本ジュニアでは2位になってこの大会に
コマを進めてきましたが心に期するものがあったはずです。


そんな二人が凄い演技を見せた!


樋口選手はノーミス演技。
スピード&パワー全開、しかも上手く制御して
つまらないミスが無かったのが凄い。

樋口選手は3ルッツ―3トゥーループを
2回も跳んできました。マジかー。

3回転ルッツー3回転トゥーループと言えば
かつてのキム・ヨナ選手の必殺技でしたが
現在は世界を目指すスケーターの必須アイテムです。

それをジュニア世代が2発跳んでくるとは。

ここ2年くらい感じているのですが今は「ジュニア」だの
「シニア」だの世代で拘る時代じゃないかも知れません。

樋口選手は表情も気合満点!
彼女らしい演技のフィニッシュの表情とアクションがいい♪

昨年は悔し涙を全国ネットで公開してしまったけど
今年は樋口選手は会心の演技で笑顔です。
195.35点を獲得して昨年より順位を一つ上げて2位。

本来なら来年のシニアの世界選手権に行って
大暴れしてほしいですが樋口選手は年齢制限で
世界選手権には行けません。

ルールなので仕方ない。

ただ樋口選手の視線は既に日本を離れて
世界を見ていると思います。

今年3月に行われたジュニア世界選手権(当時のブログ)で
共に闘ったロシアのメドベデワ選手はシニア昇格した
今年のシニアのGPシリーズに参戦、ファイナル優勝も果たしました。

更に驚くべきはメドベデワ選手は先日行われた
ロシア選手権でブッチ切りの優勝を果たしていました。

昨年の世界女王トゥクタミシェワ、
ソチ金のソトニコワ、リプニツカヤや
ラジオノワらを抑えて堂々と優勝したのです。

参考記録ながらショートでは浅田選手の世界レコード(78.66)を
超える79.44。トータルスコアはキム・ヨナ選手の
世界レコード228.56を超える234.88を叩き出しました。

共に闘ったライバルが既に世界レベルで闘っている事実は
樋口選手自身にも染みているようで195点台のスコアにも
一定の喜びは見せていましたがその程度でした。

樋口選手に関してついでに言えばジュニアの青木祐奈が
「3ルッツー3ループ」の史上4人目の成功者になっておりますが
樋口選手はそれに続き「史上5人目の成功者」となっています。

来年のジュニア世界選手権では
「3ルッツー3ループ」も見せてほしいなと思います。

インタビューでも「もっとシニアらしい演技をしたい」と
抱負を述べていました。まだジュニアの樋口選手ですが
視線の先にあるのは既にシニアの世界レベルのようです。




白岩優奈選手も続きました。
個人的には樋口選手よりもパフォーマンス的に
白岩選手の方が衝撃を受けてしまいました。

冒頭の3ルッツー3トゥーループをサラリと成功。

先ほど樋口選手も2回跳んでましたが
ジュニアでも当たり前のように跳んでくるようになりました。
ここ数年でどんだけ技術が進歩しているんだろう。

樋口新葉選手がこの技を2回やって
オイラは唸ってしまいましたが
白岩選手はもっと凄いことやってました。


疲労が溜まる演技後半、それも終盤に

本来の予定では
3ルッツー2トゥーループー2ループの3連ジャンプでしたが
((後半の1割増しで)基礎点10.01)


3ルッツー3トゥーループー2ループの3連ジャンプを敢行!
((後半の1割増しで)基礎点13.31)
それも出来栄えでプラスを貰って14.11点!!!

2つ目のジャンプを3回転にしてきました。
こんな3連ジャンプしてくるのは驚き!・・・それも終盤で。
それもサラリと跳んでましたよー。(マジ驚き)

今回の大会で3連続ジャンプで14点を
超える得点を貰った女子選手は彼女だけ。
(あの浅田選手でも10.59点。)

女子はおろか男子選手でも3連ジャンプで
14点以上貰った選手は羽生選手のみです。(14.77)
男子で3位になった無良崇人選手ですら
3連ジャンプでは11.02点しか貰っていません。

全日本初出場の女子のジュニア選手に
これだけのパフォーマンスをされては・・・。
ただただ驚くばかりです。

白岩選手はその他のジャンプも着氷後まで
美しい流れのあるジャンプをしていました。
彼女も相当な素材だ。

初出場の全日本は186.33点で5位の白岩選手ですが
まだまだ改善できる部分もあります。
来年の全日本で彼女が200点取っていたとしても
オイラは大して驚かないでしょう。


本田真凛、青木祐奈と共に「中2トリオ」の一角を占める
白岩選手ですが全日本では一歩リードした形になりました。
彼女たちの来年以降の活躍がますます楽しみになった♪



ソチ五輪前年の2013年全日本(当時のブログ)も
凄かったけど今年の女子フリーも相当凄いっ!
あの頃とはまた違う次元でゾクゾクした。

こんなにゾクゾクする国内大会をする国は
世界を見回しても日本とロシアくらいなものだろう。


そんな雰囲気の中にショート2位の本郷理華が出てきた。
昨年よりもショートもフリーも表現力に磨きをかけてきた。
GPシリーズの中国杯ではあの浅田真央に肉薄した。

かつてない自信を持って挑んだフリープログラムだった。

でも失敗した。
3ルッツで転倒したのが響いたのか
あの中国杯の時に比べてやや精彩を欠いた印象。


演技後のキス&クライでは涙も浮かべていた。
スコアは193.28点。昨年(188.63)よりも得点は伸びて
いるものの、悔しさが溢れているようだった。


最終的に4位になってしまったものの
2位の樋口選手が年齢的に世界選手権に参加できないため
4位の本郷選手にチャンスが舞い込んできた!

この悔しさは是非、世界選手権で晴らしてほしいと思う。
来年の3月、「世界最高のリバーダンス」で
ボストンの会場を沸かせてほしいな。



続いては・・・出てきた!レジェンド!
久々の全日本のフリーに浅田真央が帰ってきた。

5月の現役復帰会見から早7か月。
レジェンドは試練のリンクに帰ってきた。

復帰後のシーズンからGPシリーズに参戦。
中国杯では久々の優勝を果たしますが、
その後は徐々に不振に陥っていきました。

あのGPファイナルでは自身初の最下位も経験しました。

不振を挽回すべく先日のショートプログラムでは
確実性を高めるために演技構成を変更してきましたが
上手くいかず、彼女の心に巣食う闇は深まるばかり。

ソチ五輪以来、久々に最悪の状況で臨む
全日本選手権のフリープログラムでした。
とにかく冒頭のトリプルアクセルだけでも・・・と思っていました。


そのトリプルアクセルは転倒。あぁ・・・。


続く3フリップからのコンビネーションは
3フリップの単発に。・・・マジかぁ。


このままでは来年の世界選手権行きに直結する
全日本選手権の表彰台入りは・・・赤信号です。


絶体絶命、大ピンチの浅田選手。


次のジャンプは鬼門の3回転ルッツ。
今シーズン常に浅田選手を苦しめ続けた
苦手の3回転ルッツでした。


ここでルッツを外せばいかに浅田選手と言えど
表彰台圏内から完全にフェードアウトでしょう。


ところが浅田選手はあっさりと
3回転ルッツを決めてみせました。
驚くほどにあっさりと跳んで見せたのです!


あ、綺麗じゃん・・・ルッツ。そう思いました。


最下位になってしまったGPファイナルの
フリーでも「彼女なりに」ルッツを上手く跳んでいましたが
今回も「彼女なりに」クリーンなルッツを跳んでくれました!


この3回転ルッツの成功は大きかった。


その後のジャンプは回転不足な所もありましたが
全てしっかり跳んでくれました。

スピンはルッツの後のキャメルスピンや
全てのジャンプのあとのビールマンスピンがメチャ綺麗。
宮原選手もいいけど浅田選手のスピンも凄い。

トドメは終盤のステップシークエンスだ。
曲が一番盛り上がるタイミングでの
浅田選手のイーグルは超絶レベルの美しさ。

最後は足替えコンビネーションスピンでフィニッシュ♪


演技を終えた浅田選手の複雑すぎる表情が印象的。


諦めているような、納得しているような
今シーズンの自分を振り返っているような・・・。
そんな表情を見て何とも言えない思いに駆られた。

目にうっすら涙を浮かべながら
笑顔で観客の声援に応える姿が何とも痛々しい。


注目のスコアは131.72。
トータルスコアは193.75。

3位だった本郷選手をかろうじて上回って3位に浮上。
表彰台圏内に入ってきました!

この判定には正直驚きました。

4位に上がってくるとは思っていましたが
冒頭の転倒を含む2つのジャンプのミスがあったし・・・。
まさか本郷選手まで追い越して来るとは・・・。



女子フリーのトリは村上佳菜子選手でしたが
鬼門のダブルアクセルが跳べなかった事や
フリップでの転倒などのミスなどが続き・・・演技が終了。


・・・が、演技が終了した直後の
村上選手の表情が妙です。
何かヤラかしてしまったようなバツの悪い顔です。

会場はこの表情に何とも言えない笑いで応えていました。

どうやら村上選手は跳ぶべきジャンプ要素を
一つ抜けてしまう痛恨のミスまでしてしまったみたい。
ショート4位からトータルで6位まで順位を落としてしまいました。


女子フリーの張り詰めた雰囲気を
村上選手が何とも言えない緩い雰囲気にしてしまいました。(笑)



これで女子のフリーも全て終了。
世界選手権には宮原、浅田、本郷の3選手の派遣が決定。
四大陸選手権も同じメンバーで行くみたいです。


今年の全日本は面白かったわ~。
宮原選手が昨年に続いて文句なしに連覇してくれて良かったし
樋口選手が力強い演技で2位を確保したのも良かった。


初出場のジュニア組も白岩選手を始め
高いポテンシャル、将来性を感じる演技が印象に残ったし
浅田選手も何とか表彰台に残ってくれたし・・・。


何より嬉しかったのは浅田選手が今後の復活の
きっかけを掴んでくれたような印象を持てたことです。

それと同時に宮原選手を始め若い世代が
しっかりと力を示してくれたのが嬉しかったです。


永遠に浅田選手が現役でいれるはずもないし
次を担う世代が出てこないと困るし、
そういった世代が出てきて良かったと思う。

特に宮原選手は安定感抜群の演技で
世界レベルでも十分闘えるところまで
パワーアップしてきたのは嬉しいですね。

浅田・宮原・本郷選手たちシニアの常連世代に
樋口選手をはじめとしたジュニア世代がガチで激突する
日本女子フィギュアの「新たなる潮流」が垣間見れたのは
駆け出しのフィギュアファンの一人として心から嬉しく思う。


日本の女子フィギュアがこれからも
もっともっと面白くなってくるぞ・・・♪


そう思える全日本選手権でした。


・・・これはまだ序章ですよ、きっと。





Lana Del Rey 「Young and Beautiful」






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